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つきあたりを右に

つれづれと思うままに綴る

UX に真面目に取り組める組織づくりについてのスライドを公開しました

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と、いうわけで転職しました

本来の職種は相変わらず 「前例の無い事をなんとか形にして」をなんとかするデベロッパとしてですが、 「UX Developer として組織的に UX とかそういうの強くして」というのも兼任しております

で、入社して1週間経って、早々と「じゃあ、出来る UX デザイナー/ディレクター/エンジニア を社外から引っ張るとか、採用募るとか、属人性の高い他力本願にしないで、組織として体制を整える方向で行きましょうよ」ということで作ったのがこのスライドです

このスライドについて

昨今、割とどのソフトウェア・Webサービス開発の現場でも「UI/UX デザイナーを募集します」と求人出しています。
しかし、求人出してるところって、そもそもそういう人材が不在で、受け入れ態勢整ってない事多いのが実情です。
そして、その後どうなるかというと、その人の属人性に大きく依存した働きのみが期待され、
組織力としては強化できてない、アキレス腱 (その人居なくなったら終わり) をわざわざ持ってしまうリスクがあります

それらを踏まえて

  • こういう展開が往々にして起きるという例
  • そのシナリオを回避しつつ、事業の成功に不可欠な存在として、UXに明るい人材を運用する方法とは
  • 今しがた UX なんとかを担当することになってしまった人は組織の中でどう振る舞えば良いか

この3つについて現実的に述べているのがこのスライドです

「UX に明るい人 (UX person)」になるための訓示のようなモノは多々あれど、
「UX に明るい人、ということにされてしまった人」の現実の実態と、
組織論として 「UX デザイン・開発 が強い組織になるためには」といった観点で語られる事は少ないです

これはその導入編です

"UX Developer" という呼称について

自分は以前から「UX デザイナー」という呼称を避けるようにしています。このあたりのハナシに関係します↓

そして、これは実は私がスタートアップや、ワークショップ、アドバイザリーなどで必ずアドバイスとして話すことなんですが、UXに秀でた人(UX person)を雇いたいと思うなら、「UI/UX○○」といった書き方をしないこと。そういう書き方をすることで、理解ができていないということを露呈しているんです。「UI・UX何でもできる人を雇いたいけど、私はよく分かっていません」と言っているようなものなんです。
つまり、「何でもできますよ」という人よりも、UXパーソンの中でUIデザインをやりたがっている人、あるいはUIデザイナーの中でもっと広い考え方で物事を見たがっている人を探す方が良いんです。

http://blog.btrax.com/jp/2012/09/10/what_is_ux/

コレを読んだ時「うわははは」と笑ったものですが、実際いまの段階では "UX person" っていう才能もまだ明確化されていませんし、雇用する方もされる方も揺るがなく「こうだ」と言い切れる状況に無いと思っています。IA より若い職業概念だと思った方がいいし、人口も圧倒的に少ない上にプロとしての練度は期待できない現実です

で、2012年の米国大統領選のオバマ陣営はこの "UX person" を "UX Developer" という担当にしていました。「この呼称は良いな」と思ったのは ”ユーザー体験" という曖昧な概念対象にどう向き合うかが良く表現されているように感じるからです

designer (量産するための設計者) でも engineer (稼働するための設計者) でも、実際にやることとのニュアンスが違うと自分の経験から思うのですね

スライドの中でも触れているように、UI デザイナーの延長として、更に抽象概念層を専門とするデザイナーとしてしまうと理想と現実の乖離が現場で起きてしまうので、エンジニアリングの現場から遠ざけてはいけませんし。

逆にエンジニアの延長としてより詳細な挙動の実装者としてしまうと、「ユーザー体験」の舞台であるユーザーの生活空間への考察が疎かになりがちです

developer という呼び方はその中で一番マシな概念の充てがい方だと思っているので、自分はコレに統一しています

というわけで

"UX person" を求める事業主は「便利な都合の良いデザイナーさん」を求め過ぎず、
"UX person" ということにされちゃった人は強かに生存戦略を企てましょう